校長室だより

 平成30(2018)年度が始まりました。中学1年生、高校1年生のいない体育館での始業式は、ずいぶん広いという印象を持ちました。城北の数ある伝統の一つだと思いますが、先生が何も指示しなくても生徒たちは今は何をすべき時なのかを自ら感じ取って、全員が静かに開式を待ちます。あたりまえのことかも知れませんが、あたりまえのことが、そのとおりに出来ない事柄が世の中には増えているような気がします。城北の学校文化としていつまでも大切にして欲しいと思います。
 さて、校庭の桜がほとんど葉桜になってしまいました。満開の桜が咲き乱れる中で、7日の入学式を迎えたいと願っていましたが、ここ数年、せっかちな桜が、せっかちな天候に押されてまるで弾くように一瞬にして花を咲かせ、折からの強風で空高く舞い上がっていきました。しかし、新中学2年生が一生懸命に手作りの桜の花びらを作成し、生徒が空中廊下と呼んでいる渡り廊下一面に、たくさんの応援メッセージとともに大きな桜を咲かせてくれました。
 新中学1年生、新高等学校1年生、それぞれ経験や思いは違っているのは当然ですが、3年間、6年間の城北での生活が有意義なものとなるよう心から祈念しています。
 劇作家の平田オリザさんが「わかりあえないことから」という著書の中で、「日本のコミュニケーション教育は従来の国語教育でも、多くの場合、それは「わかりあう」ことに重点が置かれてきたように思う。私は、その点に強い疑問を持っている。わかり合えないところから出発するコミュニケーションというものを考えてみたい。そして、そのわかり合えない中で、少しでも共有できる部分を見つけたときの喜びについて語ってみたい。」と述べています。
 新たな出会いがたくさんあります。平田さんの言われるように、わかりあえないことも多々あろうかと思います。でも、自分を大切にしながら、人との違いを認め合う中でわかりあえる瞬間が来る、これが城北の良さの一つになればと思っています。中学生、高校生が新たな気持ちで歩みを進めていけるよう、学校をあげて支援して参ります。

 春本番、4月の始まりです。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。