校長室だより

~ライ麦に学ぶ~

 目に爽やかな新緑と言われますが、まさに校庭の木々、花々を眺めていると、この言葉が本当にそうだなと思えてきます。
 5月のお便りは、何人かで執筆されているのですが、友道 健先生がお書きになった「ライ麦を支える根」のお話しを紹介したいと思います。
 アメリカの生物学者が、ある実験をしました。周りが30センチ程度、深さが50センチくらいの木箱に砂を入れます。そこに1本のライ麦を植え、水を与えながら数ヶ月育てたそうです。実をあまりつけないひょろっとしたライ麦が育ったそうですが、この実験の目的は数ヶ月のライ麦の命を支えるために、木箱の中に張り巡らせた根の長さを計測するというものでした。
 計測の結果、根毛の長さも入れて丁寧に図ってみると、1万2千キロメートルもあったそうです。小さな箱の中で必死になって、水分や養分を取り込むことで、ようやく1本の貧弱なライ麦の苗の命を永らえさせたことが分かったそうです。
 地球1週の4分の1ほどの長さにもなります。命を支えるということは、実にそのような壮大な営みがあってこそのお話しだと書かれています。こうしたライ麦の生きる力に感動し、貧弱なライ麦に向かって、「お前、実が少ないじゃないか」「色つやもよくないじゃないか」などと非難する気には到底なれない、逆に、「よく頑張ってそこまで伸びたな」と褒めてあげたくなります、と結んでいます。
 学校という社会においても多くの命が育っています。ライ麦のようにがんばって自分を支えている生徒たちもたくさんいることを私たちは常に心に留め、じっくりと一人一人を見つめ、内面を見てあげることがいかに大切なことなのか、という認識を新たにしました。全教員でこのことを確認する機会を再度設け、新しい年度を歩んでまいりたいと思います。
 5月10日には韓国の姉妹校である啓聖高校から、10名の生徒たちが城北にやってきます。ホスト・ファミリーをお引き受けくださった皆様には心からお礼申しあげます。
 これからの未来を背負っていく若者たちの交流が、爽やかな初夏の訪れとともに、グローバルマインドを育てる機会になることを祈念しています。