校長室だより

 桜の花を愛でる季節から鮮やかな新緑の5月となりました。真夏のように気温が高くなったり、また下がったり、気候の変動が世界中で大きな話題となっていますが、蒸し暑い夏の訪れもそう遠くではないように思います。
 ゴールデンウイークも終わり、毎日観光地やJRの利用率が報道され、新型コロナウイルスの影響の大きさを痛感しています。ここ三日ほど県内の新たな罹患者の報道を聞いていませんが、一日も早く終息して31日を待たずして学校が再開できることを期待しています。
 さて、今日は三浦つとむ先生の著書の中から「仲良くしては競争にならない」というお話を紹介したいと思います。

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 ある日本人があるアジアの国へ行って、その国の子どもたちに童話『ウサギとカメ』の話をしました。すると子どものほうから「どうしてカメは眠っているウサギを起こしてやらなかったのか」と質問されたそうです。話しをした日本人は、思いがけない質問に面食らうと同時に、遅れた仲間に協力の手をさしのべるのが正しいのではないかという子どもの主張を、もっともだと受け取ったそうです。
 では、この童話の内容を『むこうの小山のふもとまでのかけっこ』でなく、『オリンピックのマラソン』に変えてみましょう。これまで先頭を走っていた選手が、スタミナをなくしてとうとう道ばたに腰を下ろしてしまいました。あとからくる選手はどうすべきでしょうか?そのまま全力をあげて走りつづけるのが正しいのか、それとも走るのを中止して腰を下ろしている選手に手を差しのべ、いっしょに走れるように努力するのが正しいのか。こう考えると先ほどの子どもの主張はなにかおかしく思われてきませんか?
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 これについて三浦先生は、「かけっこやマラソンはお互いに約束したルールに基づいて走る競技です。いったん始まったからには、ルールに従い全力を尽くすのが、相手に対しての礼儀です。道ばたで転んだ人を助けることは当然ですが、ルールに従った競技とそうでないものは混同してはならないと思います。」と話しています。

 他人の主張したことを受け取るだけでなく、それと似た事例を思い起こして比較し、さまざまな事実の中で吟味してみることは大切なことだと思います。
 その過程で物事を捉える視点や考え方が鍛えられ、学習のうえで大切な『見方・考え方』の力を育てるそうです。みなさんも勉強はもちろん、日常生活においても、ひとつの物事を多面的にみようと意識してみてはいかがでしょうか。